会計事務所を経営する先輩からご教示いただいたことが沢山あります。
私達がまだ20代だった頃、よく食事に誘ってくれました。
その当時から先輩は東京の一等地に会計事務所を開いており、従業員も7、8名いました。
ある夕食の席で、先輩は、
人を採用する上で、面接時にまず、この人は3つのどれに当てはまるのか考える
と話してくれました。それは、
- 会社の売り上げのメインとなる営業マン
- 業務やバックオフィスで、会社を支えてくれる人
- 会社のビジョンを受け継ぐ人
「これら3種類の人は会社の存続に必要だからだ」
と先輩はおっしゃっていました。
3の会社のビジョンを受け継ぐ人は、必ずしも次期社長候補とは限らなく、会社を大切にして、会社の将来のことを考えてくれる人のようです。
被面接者が1.2.3のどのタイプに当てはまるか判断し、次に自社で活躍出来るポジションがあるかを考えるそうです。採用にあたっては、給与や条件等を決めないといけませんので、被面接者にとっての仕事の”やりがい”や報酬も考えるそうです。
”やりがい”とモチベーションは密接な関係がありますが、ここでは
それぞれのモチベーションを考えてみます。
1の営業マンのモチベーションの第一はインセンティブ等の報酬です。自分の売上げが会社を大きくする、というやりがいもあると思います。
2のバックオフィスのスタッフは献身的な人で、モチベーションは人からの感謝と周りからの評価になると思います。
経理や総務等、皆が仕事をしやすくするのが主な仕事です。時には、会社運営の様々な細かい事もしてくれる人ですが、周りの人がそれらを仕事として見ない風潮があれば、2の人は離職してしまい、結果として、営業活動の生産性は低下するでしょう。営業スタッフが営業活動に集中できなくなるからです。
3の会社のビジョンを受け継ぐ人のモチベーションは、会社経営をより近くで参画していることです。
20代に聞いたこの話は、40代初めの今でも鮮明に覚えています。
どの書籍よりも、実際お会いした経営者の言葉が自分の記憶に残り、影響を受けています。
学生時代の友人や先輩は、会って色々と話してくれますが、社会人になって、ましては40代にもなれば社外の方からご教示いただく機会は少なくなってきます。だからこそ、先輩や友人と話しをする機会はとても貴重だと思います。
自分にとって会社経営は夢ですが、日々の仕事で、プロジェクトのスタッフィングの際に、メンバーの役割とそれらモチベーションについて考える時があります。